三十三間堂の千手観音立像は、なぜ1001体か?
出典:三十三間堂「佛名会」礼拝行のパンフレット
この謎が解けました。
カンテレの「池上彰の関西人が知らないKANSAI」というテレビ番組で、この謎を説明していました。
なんでも後白河法皇(ごしらかわほうおう)が、極楽浄土に行きたいと考え1001体作ったとさ。
1000というのは無限という意味があるようです。
その無限である1000に1をプラスする。
これで、無限よりも多くの人を救える。
ということで1001体にしたのだとか。
つまり、多くの人を救うという大きな貢献をしたので「極楽浄土に行かせてくださいね」という後白河法皇の願いが込められているということ。
わたしは、テレビ番組をみてこのように解釈をしましたが、聞き間違いの可能性もあるかもしれません。
なので、参考程度の情報と考えてくださいね。
それにしても、この三十三間堂、外国人にとても人気があるそうですよ。
それでは、三十三間堂についてさらに深く見ていきましよう!
三十三間堂(さんじゅうさんげんどう)の基本情報
三十三間堂の正式名称は蓮華王院本堂(れんげおういんほんどう)といい、京都市東山区にある天台宗妙法院の境外仏堂です。
住所 | 〒605-0941 京都市東山区三十三間堂廻り町657 |
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開門時間 | 8時~17時(11月16日~3月は9時~16時)受付終了は各30分前(年中無休) |
拝観料 | 大人:600円 大学生:600円 中高校生:400円 小人:300円となっています。 |
三十三間堂の見どころ
1001体の千手観音立像
三十三間堂の一番の見どころはやはり1001体の千手観音立像でしょう。
120メートルもあるお堂に前後10列に整然と並ぶ千手観音立像はまさに壮観。
その迫力に思わず圧倒されます。
これだけの仏像があるにもかかわらず「同じお顔をした観音様は1体もない」という事実を知るとさらに厳かな気持ちになるのではないでしょうか?
この1001体の観音立像はすべての尊顔が見えるように綿密な計算の元に絶妙に配置されており、まるですべての観音様が自分をじっと見つめているかのように見えます。
京都にはたくさんのお寺がありますが、これほどたくさんの観音像を一度に楽しむことができる場所は他にはありません。
通し矢の舞台
三十三間堂の見どころのもう一つがこの「通し矢の舞台」です。
毎年1月中旬の日曜日には全国から弓道の有段者が集まり、60メートルの距離を競射する「三十三間堂の通し矢」というイベントが開催されます。
当日は弓道をたしなむ新成人が振り袖姿で弓を射る姿を楽しむことができます。
この通し矢の歴史は大変古く、室町時代にはすでに行われていたという説が有力です。
当時は120メートルもの距離を力自慢の男たちが的を狙って弓を射ていたようです。
相当な怪力で弓を射なければ射通すことができなかったため、通し矢で的を射抜くという事は弓術をたしなむ者にとって大変な名誉とされていました。
その広さを実際に体感すると、その距離を弓を飛ばして的を射たという武将の腕力に驚かされることでしょう。
南大門
三十三間堂の南大門は豊臣秀吉によって建立し、1600年に豊臣秀頼が再建したと言われています。
こちらも重要文化財に指定されています。
太閤塀
境内南にある通称「太閤塀」と呼ばれる築地塀も三十三間堂の見どころの一つです。
この長さ92メートル、高さ3.5メートルの太閤塀も重要文化財に指定されており、桃山時代の雰囲気を色濃く残す貴重な建造物です。
三十三間堂での所要時間はどれぐらい?
三十三間堂の拝観は、普通に見て30分程度の時間を要します。
そのため受付終了は閉門の30分前となっています。
しかしせっかく三十三間堂に行くのに駆け足で見てはもったいありません。
千手観音像一つ一つの尊顔をしっかり見ていくのであれば1時間程度の時間を見込んでおいた方がよいでしょう。
三十三間堂の仏像について
国宝 十一面千手観音坐像
鎌倉時代後期、当時を代表する大仏師・湛慶が彫ったとされる彫刻であり、国宝に指定されています。
この千手観音坐像は堂内中央の須祢壇に安置されています。
この千手観音坐像は高さ約3メートルであり全身に漆箔が施されています。
千手観音坐像は大変穏やかな表情をしており、見ているだけで心が穏やかになること間違いなしです。
重要文化財 1001体千手観音立像
三十三間堂には中央にある十一面千手観音坐像を挟んで左右に500体ずつ観音像が配置されており、すべてが本尊とされています。
(1001体目は、中尊の背後に置かれている)
その中の124体は平安時代に、残りの800体以上は鎌倉時代に造られたと言われています。
ところでなぜ三十三間堂には1001体もの観音像が並んでいるのでしょうか?
千手観音にはそれぞれ40本の手があり、1本に25個の救いがあると言い伝えられています。
40×25=1000、ということで千手観音像一体には1000の救いがあるのです。
また「千」は無限を表す意味もあり、1000の救いを持った観音像が1000体ということでまさに無限大の救いという意味があるのです。
この千手観音像の中には自分に似た顔をした観音像がいる、または自分が会いたい人の顔をした観音像がいる、とも言われています。
国宝 観音二十八部衆
1001体の観音像前列に配置されている28体の仏像、観音二十八部衆も国宝に指定されています。
この観音二十八部衆は後ろに鎮座する千手観音とその信者を守ると言われており、大変神秘的でかつ厳かな雰囲気を醸し出しています。
この二十八部衆の目は水晶で作られており、大変珍しい仏像です。
なおこちらの二十八部衆もすべて違うお顔をしています。
凛々しい顔をした観音様、優しい顔をした観音様などたいへんバラエティーに富んでいますからじっくりと拝観するとそれもまた楽しいでしょう。
三十三間堂の風神雷神について
1001体の千手観音像の両脇には風神像と雷神像が配置されています。
この風神・雷神像は今から1000年近く前の鎌倉時代に製作されたと言われています。
この風神・雷神像は千手観音像を守っているだけではなく、この千手観音を信仰する人たちの事も守っていると言い伝えられています。
風神は風の神様です。背中に背負った風袋から私たちの住んでいる下界に風を送っています。
そして雷神は背中にある8個の太鼓を叩いて雷を下界にとどろかせています。
古来より日本人は風神・雷神に畏敬の念を持つとともに、雨と雷を支配し豊作をもたらす神として崇拝していたのです。
そして三十三間堂にあるこの風神・雷神像は日本最古のものとされており、建仁寺の風神雷神図屏風のモデルになったとも言われています。
三十三間堂の名称の由来について
三十三間堂の歴史
三十三間堂が創建された時代は平安時代の1165年(長寛2年)、後白河上皇が自身の離宮内に創建した仏堂といわれており、本尊は千手観音です。
創建当時は五重塔なども建つ本格的な寺院でしたが、建長元年(1249年)の火災で残念ながら焼失してしまいました。
そこから17年後の文永3年(1266年)に後嵯峨上皇によって本堂のみが再建され現在に至ります。
後白河上皇の栄華にあやかろうと考えた豊臣秀吉は三十三間堂の北隣に奈良大仏を模した大仏殿を建設し、三十三間堂を含めて境内に取り込んで巨大な塀を築きました。
その塀が現在残っている南大門と太閤塀です。
三十三間堂周辺でランチやカフェ情報
カフェ アリエッティ
三十三間堂に行ったら是非とも一緒に楽しみたいのがカフェ アリエッティです。
注文が入ってから一枚一枚丁寧に焼き上げるこだわりのパンケーキが有名なお店です。
フワフワの食感はまさに新感覚。これまでのパンケーキの概念を覆すほどです。
パンケーキ以外にもランチ時間に提供されるカレーもまた最高です。
茶匠清水一芳園 京都本店
お茶問屋直営の高品質なお茶スイーツが楽しめるカフェであり三十三間堂から程近くにあるお茶処です。
落ち着きのあるモダンな雰囲気の室内では抹茶パフェや白玉といった自慢の和スイーツを存分に楽しむことができます。
こちらのスイーツは甘さを抑えたあっさり味であり、大変上品で美味です。
先に名前を書いて予約しておけば周辺を散策して戻った時に優先的に案内してくれるサービスもうれしいですね。
つるき餅本舗
七条通りに面した甘味処です。こちらを訪問した際は必ず名物のみたらし団子をいただきましょう。
みたらし団子といっても甘辛いタレがかかっている一般的なみたらし団子と異なり、こちらのみたらし団子は黒蜜とたっぷりのきな粉でいただきます。
丁寧に作れらたみたらし団子はまさに絶品です。
三十三間堂のアクセス方法
公共交通機関を利用する場合
三十三間堂最寄りの駅は京阪電鉄七条駅です。
七条駅から東に徒歩7分程度です。
JR京都駅からはバスでのアクセスがお勧めです。
京都市バス、100系統、206系統、208系統に乗って「博物館三十三間堂」で下車すればすぐ目の前です。
車でアクセスする場合
三十三間堂には約50台の無料駐車場が用意されています。
観光シーズンともなると大変混みあいますからできるだけ公共交通機関を利用するのがお勧めです。
タクシーでアクセスする場合
JR京都駅からタクシーを利用した場合、所要時間は約7分。
予想される料金は800円程度です。
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